最愛のペットを供養するペット用の仏具・仏壇の選び方
2021.06.17
ペット, 仏具
玄関のドアを開けると、それを待ち望んでいたように飛び込んでくる影。
嫌なことがあった日にも、黙って話を聞いてくれた相棒。
ペットと過ごした時間が何よりの癒しだった・・という飼い主さんも多いのではないでしょうか?
その感謝の気持ちも込めて、旅立ったペットはしっかりと供養してあげ、生きた証としてペット用の仏具を用意してあげましょう。
現代では犬や猫などのペットは「家族の一員」。
大切なペットのために仏具を揃える方は増えているため、仏具のデザインや種類も非常に豊富です。
ただ、ペットの供養や仏具の決まりは人間のそれとは違う部分もあるので注意が必要。
ここからは、ペットの供養はどのようにすればいいのか、ペット用仏具を揃えるルールや選び方まで詳しく見ていきます。
目次
ペット用の仏具で得られる3つの良いこと
まずは、ペットの仏具を準備することでどんな良いことがあるのか詳しく見ていきましょう。
気持ちに整理が付けやすくなります
一緒に過ごした日々が幸せであるほど、別れはより辛いものになります。
最愛のペットを亡くしたことで抱えきれない喪失感を感じ、ペットロスで日常生活もままならなくなる飼い主さんも少なくありません。
ペット用の仏具をしっかりと準備し、しっかりと弔うこと。それは気持ちに区切りをつけ、心を整理し、前を向くための儀式でもあるのです。
ペットの存在を身近に感じられます
ペット仏具は、虹の橋へと発ったペットの「生きた証」として、その存在をより身近に感じられるものになります。
また、ペットを生前過ごした家で弔ってあげたい場合にも最適です。
生活する中でふとした瞬間に目に入る仏具が、ペットと過ごした幸せな時間を思い出させてくれる。 そういったメモリアルな存在になってくれるのです。
毎日お参りができるようになります
ペットが旅立った時、その遺骨をペット用の霊園や納骨堂に収めるという選択肢もあります。 しかし、この方法だとお参りするために霊園等まで足を運ばなければなりません。
手元にペットの骨を入れる小さな骨壷を置き、ペット用の仏具を用意することで、自宅での供養がずっと簡単になります。
旅立ったペットが寂しくないよう、毎日のようにお参りしてあげたい時には最適ですね。
ペットの供養・仏具の選び方には決まりは無いが配慮は必要
次は、ペットの供養や仏具選びの決まりごとについて見ていきます。
ペット供養の方法・流れ
ペットを供養する基本的な考え方は、人間のそれと大きな違いはありません。
一般的には次のような流れで行われることが多いです。
● 感謝の気持ちを伝えるセレモニーの開催
● 火葬
● 納骨
● 仏壇・手元供養を準備
人間のように供養方法の作法が細かく決められているわけではありませんので、ペット供養のためにどこまで行うかは飼い主さん次第です。
例えば、納骨・お墓の用意も必須ではなく、骨壷に入れて自宅に安置するだけでも大丈夫です。 また、分骨しても問題はありませんので遺骨の一部を納骨し、一部をペンダント等にして持ち歩くことも可能です。
ご先祖様と同じ仏壇はNG?ペット用仏具の注意点
ご自宅でペットを供養したい場合、ペット用に仏壇・仏具を準備します。
仏壇はそもそも仏様や人間の供養をするためにある祭壇ですので、ペットを祀る際のルールは特に決まっていません。
ただ、「仏様やご先祖様をお祀りしている仏壇に、ペットをお祀りするのは良くない」という考え方もあります。禁じられているわけではないのですが、この方法に抵抗を持たれそうな方が身近にいる場合は、別にペット用の仏壇か供養台を準備するのが無難です。
関連記事:ミニ仏壇は小型で人気!通販でも買えますが仏壇店がおすすめ
ペット用でも位牌には開眼供養を忘れずに
ご人間の仏壇には必須の「位牌(いはい)」は、ペット用に作ることもできます。 位牌の役割は依代(よりしろ)で、「故人そのもの」ともいえる大切なものですから、ペットをお祀りする場合にも骨壷や写真だけでなく、位牌を置きたいという方も多いでしょう。
ペットの位牌を安置する前には、人間と同じくご僧侶に依頼して「開眼供養」をしましょう。開眼供養とは、物であった位牌にペットの魂を入れる供養です。
注意したいのは、人間の位牌と違って「戒名(かいみょう)」が存在しないこと。
戒名は、仏道に入り仏様の弟子となるための名前。人間は嘘をついたり不必要な殺生をしたりと戒めるべき業があるため、仏道に入るには新たな名前が必要になるのです。
一方で動物はただ一生懸命に生きるので、そういった業がありません。ですから、そもそも、戒名をつける必要がないのです。
ペットの位牌には、「愛猫」や「愛犬」と文字入れすることが一般的です。
ペット用仏具は種類が豊富!その子の個性を感じるデザインを選ぶ
最後に、仏壇や位牌以外で、主なペット用仏具の種類やペット用品のバリエーションについての情報をお伝えします。
ペット用の仏具は、かわいいデザインのミニタイプや、手元供養ができるグッズなど、豊富な種類の商品から選べるのがポイント。
マンションなどに住んでいて、あまり多くのスペースを割けない場合でも全く問題ありません。
ペット用仏具は「7点セット」が基本です
ペットのための仏具には、基本となる供養用品が5点あります。
1. お水をお供えする「水入れ」
2. ご飯をお供えする「供物皿」
3. お花を供える「花立」
4. 香りで部屋や供養する者の穢れを清める「香炉」
5. ローソクを立てて火をともす「ろうそく立て」
何から揃えればいいか困ったときには、まずこの5点を揃えるといいでしょう。
もし供養スペースに余裕があるのなら、
・線香を立てる「線香差し」
・音を鳴らすことで場の空気を清める「おりん」
を加えた7点を揃えることをおすすめします。
他に人気が高いのは「フォトスタンド」型の仏具用品です。
生前に撮った写真を飾っておくことで、お参りするときにペットの愛らしく元気な姿を見られます。
いつでも傍に感じられる「手元供養」の仏具も
基本的な仏具のほかにも、ペット用の手元供養の仏具も豊富にあります。
例えば自宅に遺骨を残しておける「ミニ骨壷」や、ペットの遺骨・遺灰をカプセルにしてアクセサリーにする「遺骨ジュエリー」など。
ただ、チェーン付きで持ち運びできる手元供養具は、いつも一緒で、旅行などにも連れていける反面、なくしてしまうことも。
こういった紛失の場合に予想以上に大きなショックを受ける方も多いのですが、「失せ物はその場、その時に必要だったから失くなる」という考え方もあります。
その場所がとても気に入ったから、残りたいと駄々をこねているのかもしれませんから、必死に探す必要はなく、また新しく手元供養具の骨壷にペットの遺灰を入れて色々なところへ連れて行ってあげましょう。
デザイン選びは「個性」が大事!お近くの実店舗で探してみましょう
こういったペット用仏具を購入するときは、毛並みや性格など、その子の個性を表現するようなデザインの商品を選ぶのがポイント。
より身近に、ペットの存在を感じられるようになるのでおすすめです!
ペット用仏具は通販サイトでも大量に販売されていますが、掲載されている商品の写真は肉眼で見る実物の商品とは違います。
ぴったりだと思って購入したものの、届けられた商品を見て「あの子のイメージと全然違う・・」という失敗は悲しいですよね。
通販サイトのページから注文すると、送料も無料で発送してくれるのはありがたいですが、欲しい物が届かないのであれば意味がありません。
少し手間でも、やはり仏具の質感や色合いを直接感じられる実店舗に行くのが安心確実。仏壇・仏具の専門店なら、細かい疑問を仏事のプロに相談することもできます。
関連記事:初めての仏具は近くの仏具屋さんで!最寄りの仏具店を探す方法
あなたの大切な家族にぴったりの仏具を提案してくれる仏具店に、ぜひ一度足を運んでみてください。
>まとめ
ペットの多くは私たち人間よりも短い命で、先に旅立ってしまうことがほとんどです。
先立たれてしまった痛みは、そう簡単に癒えるものではありません。
しかし、ペットのために仏具を準備し、きちんと弔ってあげることで、気持ちの整理もつきやすくなるでしょう。
悲しみを乗り越え、楽しかった頃の思い出をまた思い出せるように。
幸せな仏壇探しで近くの仏具店を見つけ、大切なペットのための仏具をそろえてあげてはいかがでしょうか。