神棚の祀り方|正しい神具の配置・誤った飾り方
2021.06.17
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神棚は神聖なお神札をおまつりする大切なものです。
その為、家のどの部屋に、どのような置き方をするのが望ましいか、神道の教えによって決められています。
間違った置き方は神様に失礼にあたることもあるので、神棚をおまつりする上では、正しい置き方は最低限のマナーとして知っておかなければなりません。
せっかく神棚をおまつりしたのに、置き方のせいでご利益が得られなくなるのは避けたいですよね?
そこでこの記事では、神棚を置くタイミングからご自宅での置き方の決まり、神具の置き方まで徹底的に解説していきます。
また「仏壇と神棚を同じ部屋に置く事はできる?」・「神具の置き方の決まりは?」といった良くある素朴な疑問にもお答えしていますので、置き方についての悩みが解決するでしょう!
目次
神棚は新年や結婚・出産の際などに用意する置き方が一般的です
まず、神棚を置くタイミングというのは決まっているのでしょうか?
結論から言いますと、「いつでも大丈夫」です。
神棚を置き始めるタイミングは特に定められていませんが、一般的に神棚を買う方が多い機会は次の通りです。
新年
「全てが改まる新しい年の初めに神棚を新調すると神様の瑞々しい力が得られる」という考え方から、新年に神棚を購入される方は大勢います。
新築・引っ越し・事務所開きなど
家を新しく建てたり、引っ越した際に家庭の安寧を願って神棚を準備することもあります。
会社の設立の事務所開きや、お店を開店した際にも、商売繁盛などを祈って神棚を用意することが多いです。
結婚・出産
結婚したばかりのカップルや赤ちゃんをもった夫婦が、夫婦の明るい未来や生まれてきた子供の幸せを願うために神棚を買うこともあります。
子供が生まれて名前が決まると、半紙の真ん中に大きく赤ちゃんの名前を書いて神棚に供えるという風習もありますよ。
守り神として
家庭の安寧や受験合格、勝負事の必勝祈願、恋愛成就に至るまで、暮らしが豊かになる願いを込めて守り神として用意することもあります。
暦(こよみ)を参考にする
暦を参考にして神棚を置く場合もあります。
神社でお受けできる暦「神社暦(じんじゃれき)」には、神棚を置くのにふさわしい日取りが紹介されていますので、こちらを参考にして準備するのもいいですね。
このように、神棚は人生の様々な節目や転換期の場面でおまつりされるもの。
あなたの人生にとって大切な時期に、ご準備してみてください。
関連記事:神棚に神を祀るための神具はネット通販より専門店がおすすめ
神棚の良い置き方には「場所」と「向き」が大切
次に、神棚の具体的な置き方について詳しく見ていきましょう。
場所や向き、高さ等によって適している場所とそうでない場所があります。
「場所」による神棚の置き方
神棚を正しく置くには、まず建物のどの場所に置くか、どの方向を向けるかが非常に重要です。
神棚はリビングや応接間など、人があつまりやすく清潔で静かな場所が望ましいとされています。
これは、神道では神様が不浄を嫌うとされているためです。
逆に、私的な部屋やトイレ・台所など暗くじめじめした場所、廊下や玄関など人が行き来して落ち着かない場所は避けましょう。
しかし、最近では戸建ではなくマンションやアパートに住んでいる方も多く、部屋数も限られていて「いい場所」に置けないこともあるはずです。
その場合は置き方の選択肢の中で、一番神様に失礼のない場所を選べば大丈夫です。
また、高さも重要で、人の目線よりも高い位置にお祀りするのが基本です。
2階建て以上の戸建住宅の場合は最上階に設置するのが良いとされています。
このように「なるべく高い位置」におまつりするのは、神棚が天界を表すものであり、神棚を設置した部屋の上に人が通る構造だと、神様の上を人が通る事になってしまい、失礼に当たるからです。
神棚より上に階がある場合は、「雲」と書かれた紙を貼り付ける、もしくは神棚の上に神棚の棚板に雲の形をした「雲板(くもいた)」を取り付けます。
これによって、神棚の上が天界であることを明示しましょう。
「向き」による神棚の置き方
神棚のおまつりには方角も大切です。
一般的には八百万の神々の中で、最上位の天照大御神がつかさどる太陽が昇ってくる「東」、同じく太陽の明るい「南」に向けて設置します。
しかし、場所と同様に、建物の構造上これらの方角を向けることが難しい場合もあると思います。
その場合は無理せず、神様への敬意をもってできる範囲でお祀りすれば問題ありません。
神棚がない場合のお札の置き方
実は、神棚がなくとも、お札だけで神様をおまつりすることはできます。
その場合は、タンス・本棚など背の高い家具の上を整えて清浄にし、清潔な敷物や半紙を敷いて、壁に立てかける形でおまつりしましょう。
関連記事:神社で受けたお札(神札)を神棚へおまつりする正しい方法
仏壇と神棚を同じ部屋に設置するときの置き方
「神棚と仏壇は、同じ部屋にお祀りしてもいいのだろうか?」
神棚はあくまで神様をおまつりするもので、お仏壇はご先祖様と仏様をご供養するもの。
お祀りする対象が違うので、同じ部屋にお祀りしてよいか疑問に思うかもしれません。
可能であればなるべく離れた部屋に置いたほうが良いと考えられていますが、この両方を同じ部屋にお祀りすることは特に問題ありません。
しかし、同じ部屋に置く場合は、置き方に注意する必要があります。
ここからは、仏壇と神棚を同じ部屋に設置するポイントを見ていきます。
「向かい合わせ」になる置き方をしない
まず、仏壇と神棚を向かい合わせに配置するのは良く無いとされています。
これは「対立祀り」と呼ばれ、どちらかにお参りする際に、片方へお尻を向けることになり失礼にあたります。
もしどうしても、間取りの関係で向かい合わせに置かなければならない場合は、お参りしない方の神棚か仏壇の扉を閉めてから、もう一方にお参りすることで敬意を示すことができます。
神棚と仏壇が「上下」になるような置き方をしない
神棚と仏壇が完全な上下になる置き方ではどちらに手を合わせているか分からず、どちらかを上にすることは神様・仏様に対して失礼にあたります。
上下に設置せざるを得ないときは、「神棚には立ってお参り、お仏壇には正座してお参り」のように、お参りの方法を明確に区別するとよいでしょう。
仏壇・神棚がすでにある部屋にもう一方を設置する場合は、「向かい合わせにしない」「上下にしない」ということさえ守れば、同じ部屋に安置しても大丈夫なんですね。
関連記事:仏壇の置き場所よりも宗派別の祀り方や仏具の配置の方が大切です!
神棚への神具の正しい置き方
次に、神棚における神具の置き方を見ていきましょう。
神棚に飾る神具・お供物の置き方
神棚には、宮形やお札のほかに「神具」をお供えします。
代表的なものがこちらです。
● 「水玉(すいぎょく)」:お水をお供えします
● 「皿(かわらけ)」:お米・お塩をお供えします
● 「榊立て」:榊をお供えします
● 「瓶子(へいし)」:お酒をお供えします
神具の置き方で基本となるのは、その位置です。
特に神棚の中心は「正中(せいちゅう)」として尊びます。
次に位が高いのが右側、最後に左側です。
神具もその重要度にあわせ、この置き方の基本に従って並べていきます。
まず、特に大切なお供物であるお米・お酒はより中心に近い位置に置き、その右にはお塩を、左にお水をお供えしてください。
榊立は一対準備し、神棚の両脇に置きます。
一社神棚や三社神棚など、神棚のタイプによって神具の置き方も変わってくるので注意しましょう。
関連記事:神具は専門店でセットでそろえよう!神棚の役割やお供えの作法
普段のお参りの作法
神棚は、いわば小さな神社です。
そのため、神棚へのお参りも神社への参拝と同じように考えます。
普段のお参りは、1日2回。
朝にはその日1日の無事を祈り、晩にはその日を無事に過ごせたことへの感謝の祈りを捧げます。
1. 服装を整える
まず身なりを整え、改まった心持でお参りできるようにします。
2. 手や顔を清潔にする
神社へ参拝する際、手水で口をすすいで身を清めるのと同じように、手や顔を洗い、歯磨きをして身体を清潔にします。
3. ろうそくに灯をともす
神棚にかがり火やろうそく立てといった神具がある場合、お参りの前に火をつけましょう。
4. 二拝、二拍手、一拝する
「拝」とは、深いお辞儀のこと。
神棚に向かって2回深くお辞儀をしたのち、2回拍手、再び深くお辞儀をします。
5. ろうそくの灯を消す
最後にろうそくの火を消して、お参りを終わります。
「服忌(ぶっき)」の時はお祀りを遠慮します
「服忌」とは、家族に不幸があった際に忌中として故人を偲び、忌みこもることです。
忌の期間は50日が目安で、その間は神棚に半紙を貼るなどして、お祀りはしません。
服忌はお葬式を出したお家でのみ行うので、親戚の方が亡くなられた場合でも、お葬式を出していなければ通常通りのお参りをして大丈夫です。
忌が終われば通常通りお参りする生活に戻ります。
もし、忌の期間が正月を挟む場合は、期間が明けてから氏神神社にお札を受け取りに行きます。
神棚・神具の専門店を簡単にみつけるには?
「神棚をおまつりしたいけど、あまりスペースがないし・・・」
スペースの問題で神棚の設置に不安がある方も多くいらっしゃいますが、ご安心ください。
神棚には、伝統的なものから洋室にもおまつりできるモダンなデザインのものまで、豊富な種類あります。
中には、横幅15cmあればお祀りできる神棚も。マンションやアパートでも簡単におまつりできるよう、コンパクトタイプの神棚も多く販売されているんです。
ぜひ、あなたのお部屋にぴったり収まる神棚を見つけてみてください。
わからないことがあれば、近くの神棚店に相談するのが良いでしょう。
神棚は末永く使っていくモノですから、これから長期にわたってサポートしてもらえる近くの神棚店の存在は、とても頼りになります。
>まとめ
このように、神棚の置き方には色々な決まりがあるのですね。
置き始めるタイミングは自由ですが、場所や方角などの置き方には注意が必要です。
また、仏壇と同じ部屋にお祀りする際にも、この記事で扱った情報を参考にしていただければ失礼なく日々のお参りができるはずです。
最寄りの神棚店を当サイトで検索して、神様に祈りをささげて日々に感謝する「神棚のある毎日」を始めてみてくださいね!