仏壇の写真は仏具ではない?飾り方は仏壇のそばでOK
2021.09.02
仏壇, 写真

毎日のご供養の際に、故人の生前の姿を映した写真(遺影)を見つめてからお祈りされる方も多いと思います。
故人を想うときに元気な姿の写真があると、より身近に感じられることでしょう。
この故人の写真は仏壇の中に置かれているでしょうか?
それとも仏壇の外に置いていますか?
この写真(遺影)について、「仏壇の中には置かない」という話しを見聞きしたことがあるかも知れません。
葬儀の際にも大きなお写真を使いますし、仏壇というと遺影があるのが当たり前なような気がしますが、仏壇の中には置かないというのは何故でしょうか?
そして、仏壇の中に置かないとしたら、一体どこに写真を飾れば良いのでしょうか?
目次
故人の写真は仏具では無いので仏壇には置きません
故人の生前の写真(遺影)は、仏具ではありません。
故人を偲ぶ大切な品であることは間違いありませんが、仏壇は仏具を飾る場所なので、正式には仏壇の中には写真を飾りません。
なぜ写真(遺影)は仏具ではないのか?
写真は生前の姿を写したものです。
既に故人の魂は肉体から解放され浄土におり、現世に現れる時には「位牌」に宿り、それ故に拝む対象となるのです。
写真を拝むことは、脱いだ衣服を拝むことに似ています。
思い出と愛着のある生前のお姿も、衣服と同じく形ある仮の姿であり、それを写した写真も、人間の本体である魂を宿したり供養したりするものではない為、仏具では無いのです。
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写真を仏壇に飾ってはいけないのでしょうか?絶対にNGではありません
仏教や宗派の教義がどうなっていようと、やはり生前の姿をみて故人に思いを馳せながらご供養がしたい!
そう思われる方は多いと思いますし、むしろその方が自然かもしれません。
仏壇内の写真は親族の心情も考えて
仏壇の中に写真を飾ることは正式には良しとされていませんが、絶対にしてはいけないという事ではありません。
ですが、わざわざ遠路はるばるお参りに来てくれた親族や故人のご友人・知人などの心情を考えると、やはり仏壇内に写真を飾るのは避けたほうが無難でしょう。
自分や家族は良くても、他の人もそうとは限りません。
仏壇のそばに写真を飾りましょう
仏壇の中に写真を飾らなくても、仏壇の側に写真を飾るようにすれば、日々のご供養の際に故人を近く感じることができるでしょう。
この場合「仏壇の上」や「仏壇の正面」に写真を飾ることは避けましょう。
関連記事:仏壇の置き場所よりも宗派別の祀り方や仏具の配置の方が大切です!
仏壇の合う写真のサイズや生前の遺影撮影は仏壇店に相談しましょう
故人を偲ぶ遺影写真は、仏具ではないためどんな写真でも良いのですが、やはり毎日見るお写真ですから適切なものを選びたいですよね。
仏壇店には遺影用の写真立ても取り揃えられているので、現物を一覧できますし、既に仏壇がご自宅にある場合や、これから仏壇を購入しようと考えられている場合に合わせてご相談されることをおすすめします。
近年では生前に自分の遺影を予め撮影されるかたも多いですから、どういったアングルで、どんな服装で、どれくらいのサイズで撮影するのが良いのか、相談してみてください。
遺影写真撮影のサービスを行っている仏壇店さんもありますし、お付き合いのある写真館さんを紹介していただくという方法もありますよ。
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>まとめ
遺影写真は仏壇の側に必ずと言っていいほど置いてあるものですから、仏具ではないというのが意外でしたね。
しかし、残された家族にとっては大切な物であることに変わりはありません。
たとえ宗教的な意味では魂の宿っていない写真であっても、人生を一緒に過ごした姿には思い出も愛着もあるものです。
お参りに来てくれる方への配慮は必要ですが、写真を仏壇の側に飾ることは決して禁じられていることではありませんから、素敵な故人の遺影を飾ってあげてください。